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第20回 大阪講演会
開催月日:2018年07月07日(土)
開催場所:TKPガーデンシティ東梅田
むくみとは、血液中の水分が皮膚と皮下組織に溜まった状態をいいます。むくみは疲労が溜まっているとき発症しやすく、長時間同じ姿勢をとっていたり、運動不足など生活習慣によって発症するものと、心臓、肝臓、腎臓など臓器の疾患によって発症するむくみがあります。
日常生活の中で発症する一時的なむくみは、皮膚がパンパンに腫れますが、腫れている箇所を押さえると数秒間へこんでもすぐにもとに戻ります。それに対して腎臓など臓器の病気によるむくみは、一度押すとへこんだままでなかなか元に戻りません。
真夏の酷暑の中で運動をすると、大量の汗をかいて体内の水分量が大幅に減ります。汗をかけばのどが渇き、排出した水分を補うため、身体は大量の水分を欲します。
このように人間は、水分を排出したらその分を吸収して常に体内の水分量を一定に保とうとします。このような水分の恒常性を保つ機能を持っているのが腎臓です。
体内に取り込んだ水は、いったん細胞外液に入り細胞と情報交換をして過不足を腎臓に伝えます。腎臓は糸球体や尿細管で血液中の水分をコントロールして身体の水分量(体液)を一定に保つ機能を持っています。
私たちの身体は60兆個ともいわれる細胞で出来ています。その細胞には常に酸素と栄養を運び、細胞から放出される二酸化炭素と老廃物を回収するために血管が張り巡らされています。
では、血液は栄養や酸素はどのようにして細胞に届けるのでしょうか。
栄養や酸素をアミノ酸や糖、炭水化物に分解し血液中に溶かして運びます。特に酸素は赤血球が、水分は血漿が中心になって血管を通して運びます。
細胞は細胞外液の海の中に浮いており、血液は細胞外液のうちの間質液の中に栄養や酸素を放出し、あとは細胞が自分の力で吸収する仕組みになっています。逆に、老廃物や二酸化炭素も同じく間質液の中に放出するので血液は両者を選択して放出と回収を行っています。
腎臓の機能が正常に働いていれば、間質液と血液が血管を自由に行き来できるので、身体の水分量(体液)を一定に保つことができます。
むくみとは、血液中の水分が皮膚と皮下組織に溜まった状態といいました。何らかの原因によって、血液中の水分(血漿)が間質液中へ過度に放出されて、皮膚や皮下組織に溜まった状態を言います。
腎臓病患者の血液検査では必ずアルブミンの項目がありますから、なじみのある名前でしょう。アルブミンは肝臓で合成されて腎臓から排出される微小なタンパク質です。
その働きは、
① 水分量を一定に保ち血液を正常に循環させること
② アミノ酸などを目的地に運ぶ運搬作用
があります。
血液中のアルブミンの量が少なくなると、間質液中の水分(細胞外液)を血管内に取り込めなくなります。
ネフローゼの患者さんをはじめとし腎臓病患者は、病気が進むと尿にアルブミンが漏れ出し血液中のアルブミン量がどうしても少なくなりがちです。
少ないのであれば食事量を増やしアルブミンを補給すればいいのですが、腎臓の機能を保護するためにも、食事療法のタンパク質制限は必要です。ただし、制限しすぎると前記のようにむくみの原因となってしまいます。
腎臓に負担がかかっていないか、栄養不足になっていないかは、血液検査の数値で判断できます。体の状態をご自身で管理することがとても重要になります。
むくみは血液の流れが滞ることに由来します。むくみの解消には血流の活性化が一番です。
また、血流が良くなれば消化、吸収する力も上がります。アルブミンをはじめ栄養のバランスを考える前に、制限された食事でも栄養を漏れなく吸収できる体になることが大切です。
むくみなどの症状に悩まされず、腎臓病をコントロールするために、自分の体を信じて内臓トレーニングに取り組んでいきましょう。