第19回 福岡講演会
開催月日:2017年11月11日(土)
開催場所:博多リファレンス駅東ビル会議室
はじめに
講演会では、最初に廣岡先生から、現在の腎臓病治療のホットな情報についてお話がある。第2部・後半では内臓トレーニング考案者の望月みや子氏から、内臓トレーニング実践者の実践を通して腎臓病とのより良い付き合い方についてお話している。
今回は薬に関する情報についてお二人のお話をお伝えします。
第1部では、廣岡先生が、服用している薬が本当に効いているかどうか自分で確かめるよう勧めている。「どんなに良いといわれる薬であっても、自分に効果がなければ服用する必要はない」といっています。例えば、「近年、下肢のむくみをとるために新しい利尿剤が注目されている。現在それを飲んでいる人は、本当にむくみは取れていますか?」という疑問が投げかけられた。
①処方された薬が自分に合っているかどうか勉強しましょう
来静する内臓トレーニングの実践者の中には、すでに何ヶ月も利尿剤を飲んでいるにもかかわらず、壊死寸前の足を引き摺ってくる人がおります。薬を服用するときは、どんな効能を持った薬か、その薬は自分にとって本当に有効か、効果が出ているかどうかを確認した上で服用するようにしましょう。現在、下半身のむくみをとるために有効な薬は見当たりません。最も有効なのは、ふくらはぎを手でさすったり、器械でふくらはぎの筋肉を刺激する方法でしょう。むくみは、下半身に溜まった血液や体液を腎臓に戻すことによって解消します。
②自分の病気を医師にお任せにしない
複数の病気を併発している患者さんは、その病気と同数の主治医に掛かっています。
本来ならば、主治医同士が患者のためのチームを作り、治療方針を協議したり、同じ薬がダブらないように配慮するなど、協力して治療に当たる必要があります。しかし、多忙を極める先生同士は、それを許すだけの余裕はありません。このため、それぞれの主治医がそれぞれに薬を処方した結果、内臓トレーニング実践者の中には、毎日66錠を服用しなければならないという人が出てきました。複数の医師の治療を受ければ、治療が2重3重になったり、AドクターとBドクターの間に治療の矛盾が出てくることもあります。患者さんは、自分の病気について勉強を重ね、医師に任すのではなく、自分で管理するようにしましょう。
第2部では、内臓トレーニング考案者の望月みや子氏より、クレアチニンを下げた人ばかりでなく、クレアチニンの数値をあげてしまった人の事例も含めて、腎臓病と如何に向き合うべきかについて具体的な説明がおこなわれました。薬の服用に関する注意点として、望月みや子氏は3つを挙げています。
①血液検査の結果、基準値内に入っている薬は、できるだけ減らしましょう
病気の症状は、患者さんの体調によって常に変化しています。このため、重症になれば多くの薬が処方されますし、体調が良くなってくれば薬の種類は減るはずです。内臓トレーニングを実践して体調が良くなってくると、基準値に入ってくる検査項目がでてきます。しかし、お医者さんのほとんどは、血液検査のたびに処方した薬が基準値に戻ったかどうかをチェックしません。体内に入った物質は薬といえども最後は腎臓から排出しなければなりません。ですから薬の摂取は最小限にすることが求められます。そこで、患者さんは自分の血液検査表とにらめっこをしながら、検査数値が基準値の中に入っているものがないか調べましょう。もし入っているものがあるなら、その薬を減らしてもらいましょう。
今の医療制度の下では、薬の数量を減らすことはなかなか難しいことです。患者のほうが勇気をもって主治医に軽減してくれるよう相談するようにしましょう。
②薬の効果は血液の流れによって決まる
腎臓病の患者さんは、毎日たくさんの種類と量の薬を飲み続けています。せっかく飲んだ薬は、体に有効に働き、少しでも症状を抑えることが求められます。では、薬は患部にどのようにして届けられるのでしょうか。ご存知のとおり、血液によって届けられます。ですから、全身の血液が活発に流れていなければ、どんなに効果の高い薬も患部に届けることはできません。つまり、薬としての役に立たないことになってしまいます。
少しでも症状を軽くするため、少しでもクレアチニンの数値や、腎臓の機能を改善するために、血液の流れを良くすることを考えましょう。それには、ふくらはぎの筋肉を刺激し、筋肉内の毛細血管をしなやかにし、体の隅々に血液を届ける内臓トレーニングを実践してみませんか。
おわりに
薬は体に効果があるから薬であり、服用の仕方を間違えると毒物になってしまいます。 良かれと思って飲んでいる薬も、漫然と服用していては、その効果が半減してしまいます。同じ目的で作られた薬であっても、メーカーによって効果・効能が違ってきます。どのメーカーの薬が良いか、量は適量であるかどうか、添加物に問題はないかなどなど、 常に目配りを怠らず、自分にとって最善の薬であるかどうかを確かめながら服用するようにしましょう。
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