第17回 名古屋講演会
開催月日:2017年09月16日(土)
開催場所:ABO(安保)ホール 301号室

透析を巡る医師と患者の意識の乖離
 医師は、腎臓病は治らないという前提の下に、腎臓の壊れていく過程を観察して、どこの時点で透析に導入するかを見極めようとしているのです。ですから、もし病気そのものを治す行為を治療とするならば、現代における腎臓病治療は、腎臓が壊れていくに伴って発症する症状を処置するだけで、腎臓病の治療は行っていません。
 なぜなら、腎臓は再生できる臓器ではなく、一度壊れたら修復ができないからです。
ここに、透析ありきのお医者さんと、透析を避けたい患者さんとの間に葛藤が生じる原因があるのです。

腎臓病は治らないという前提に立ったガイドライン
 腎臓病治療の専門医は、一般の医師のために腎臓病治療のためのガイドラインを発表している。このガイドラインによって、全国一律に同じ質の治療を受けることができるようになった。
 腎臓病は発症してから5年10年と、長い期間をかけて透析に至るため、図のように病期を5段階に分けて皆さんの治療に当たっています。男子の場合、eGFRの数値が60以下になると慢性腎臓病と診断されます。診断された患者は、専門医に掛かるよう指導され、専門医は腎臓病の第1期と診断します。

病期1・2 この時期は経過観察と言って、病気の進行状況を見守るために血液検査が行われます。しかし、何らかの症状が無い限り特段の治療はしません。
病期3-a eGFRが45~59になってきたとき、症状があれば症状の治療をするし、必要に応じて透析準備のための教育入院を行います。
病期3-b eGFRが30~44になると、透析の準備としてシャント手術をするよう勧められます。その時、腹膜透析にするか血液透析にするか決断を促されます。
病期4 eGFRが15~29になると、いつ透析に入っても不思議ではないとして、シャント手術を実施し、透析に入る時期を探ります。
病期5 eGFR8未満になると、透析が始まります。

内臓トレーニングは奇跡を起こす
 内臓トレーニングの実績は、腎臓病のガイドラインに反した結果がでています。病期3-bまでの方であれば、クレアチニン値を基準値内に戻している人もいます。また病気の進行が速くなる病期4になっても、病気の進行を止めることができています。
 透析に入る病期5になると、腎臓の機能が8%を切り、医師はガイドラインどおり透析に入れようとします。理由は、患者が尿毒症で意識を失って倒れ、そのまま放置すると絶命するからです。でも、内臓トレーニング実践者の中には、Cre11.00を超えてもなお元気で透析を先延ばししている人がいます。
 このような人は現代の腎臓病治療の常識を超えた人たちです。ということは、内臓トレーニングそのものが現代の腎臓病医療の常識を超えているということになります。

奇跡の理由は以下の4つにある
 内臓トレーニングは、①全身の血流改善を行い、②生体電流の流れを良くし、③自律神経のバランスを取ることにより、現代医療を補完する役割を果たしているのではないでしょうか。
 ただし、すべての方に奇跡が起こるわけではありません。透析間際になっても内臓トレーニングで何とかなると思うのは、大きな誤解です。腎臓は再生しない臓器です。残存機能が少しでも多いうちに、内臓トレーニングを始められることをお勧めします。

【参加された方の感想】